7月27日 クロンシュタット島



クロンシュタットの艦艇群。
満艦飾を掲げているが、ちと寂しい。

取り合えず今回のサンクト.ペテルブルグ取材旅行の山場である。クロンシュタット島はサンクト.ペテルブルグ沖にあるロシアバルチック 艦隊の本拠地である。そこで海軍記念日の祝典があるのだ。どんな艦艇がいるのかなぁっと期待に胸を膨らませていたらツアー会社の手配し てくれた車に運転手、通訳に案内役が朝早く、ホテルにやって来た。車で延々2時間ほど突っ走る。クロンシュタット島は細長い堤防で本土と 繋がっているのだ。結構な人混みだが、当然のことだが日本人なんかいない。我々はさぞ好奇の目で見られただろう。港に面した一角が式 典会場だが、港内に繋がっている艦艇を見てちょっとガッカリ..大型の水上戦闘艦など影も形も無い。ミサイル艇や掃海艇、後は幾つかの 支援艦艇がいるぐらいだ。もっともロシア艦はこの手の船も結構、重武装なので見た目は良いんだけどね。せめて、クリバックぐらいは居るだろう と思ったんだけどな。最もバルチック艦隊は地形的に元来、沿岸守備的なところもあるけど..

いきなり轟音!堤防の上に設えてあった時代物の前装砲が空砲を発射する。周りに人が居ようがお構いなしに次々に発砲。桟橋に係留してい た潜水母艦か何かの支援艦が応戦する。どうやら、模擬上陸作戦らしい。掃海艇が港内に侵入してディンギーを降ろして、ダイバーにより沈底 機雷を処分、巨大な水柱が上がる。いよいよ海軍歩兵の上陸だ。狂ったように空砲を発射しながら小隊規模の兵士が上陸する。堤防を越えて 発砲しながらずっと内陸の出店とかが出ている広場まで突っ込んでいく。おいおい。兵士の通った跡を子供達がワラワラと集って空薬夾を拾 う姿は笑えた。桟橋上で艦艇を見学、タランタル級ミサイル艇なんかに乗り込んでご機嫌だ。桟橋の先に礼砲か何かに使うのか、シールド付き の100ミリクラスの艦砲が備えられている。もちろん、人力での旋回俯仰は可能で、ガキンチョが陣取って、ぐるぐる回して遊んでいた。私も やりたいのに..船尾に巨大なホーンらしきモノを装備した正体不明の支援船、どうやら海底作業用の母艦らしいが、そのくたびれた甲板の上に 素晴らしいデザインの水中作業機が置いてある。小型のスクリュー多数にキャタラピラまで履いた姿は、その正面からの表情と相まって何とも愛 らしい。我が家にも一台欲しいぐらいだ。

日露戦争の悲劇の名将、マカロフ提督の記念碑もある。生前バルチック艦隊の司令官であった関係だろう。記念碑の周りは実に綺麗に整備さ れていた。


のっけから迫力のある姿を見せる
SSC-3スティックス沿岸防御ミサイル。
MAZ-7910(8×8)に連装で搭載。
ミサイル本体は長さ6.55m、
弾頭重量533kgで海上25mを巡航し、
最大射程は80〜100qである。



タランタル型ミサイル艇の主砲前でポーズ。
排水量480t、速力36nt。
SS-N-2CSSM連装発射筒2基が主兵装。
他にもSAMや76mm砲を搭載している。



ガキンチョがクルクル回して遊んでいる
76mmクラスの艦砲。
クソ、代われ!



とてもかわいい海中作業機らしいメカ。
以前津軽海峡で海底に足跡がって言ってたのは
コイツの仕業か?



マカロフ提督の像。
この人が相手だったら東郷さんも苦労しただろう。
取り合えず黄海海戦の様子は変わっただろうね。

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ロシア海軍博物館。 
内容はいまいち・・・

その日の午後、通訳らと別れた我々は砲兵博物館の更に向こうの海軍博物館に向かうことにする。天候はどんどん悪化していき、土砂降りの雨が断続 的に降る。水を被った私のカメラはその後露、出がおかしくなってしまった。海軍博物館は御大層な建物の割に大したことなかったが、模型では あるがロシアの装甲巡洋艦リューリックの姿を初めて見た。日露戦争のコーナーにはいかにも捕獲しましたとばかりに日の丸があったが軍艦 旗ではなく、日章旗なのがご愛敬。売店で謎の日本戦艦のキットを発見!戦艦ニチモ..こりゃ日本のプラモメーカーじゃないか。外観は大 和そっくり。何とか手に入れたかったが、売店のねーちゃんにどうやっても通じない。値段は150000ルーブルぐらいだった。



苦労して持って帰った、スイカの末路。

帰りに露店で西瓜を発見。日本のとは違い縦長だ。面白がって買って行くが、これがえらく重い。しかしホテルは遠かった..晩飯は西瓜三昧 となる。


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