乗艦

ゲートに到着したら、受付のお姉ちゃんというかおばさんに、先程のレシートの様な入場券を見せます。それにしても日本ならこの手の入場券も、立派な図柄に なっており、それだけで記念品にもなるでしょうに、この差は何でしょう、確かに経費はかかりませんけどね。入ると右手に古い軍用バスの様な車体を綺麗にリ ペイントした案内所があります。ここを利用したことはありませんが、日本人向け案内とかがあるみたいです。先程のバウフィンの艦内見学では、日本語音声の 出るレシーバーの様なモノを貸してくれるので、その様なモノがあるのかも知れません。それにしてもこの様に日本人に配慮してる割にはまず日本人を見かけませ んけど..年末とかのシーズン時はどうなんでしょうね。 左側にはトイレがあります。ここで注意!艦内にも、桟橋にもトイレはありません。前日ビールを飲 み過ぎたりしてた場合は必ずここで用を足していきましょう、看板にもここがラストチャンスと書いてあります。

入り口です。
向こうで「くろがね」の城が待っています。

案内所。
どー言うサービスがあるかは見ませんでした。

言わずと知れたおトイレ。
艦内のトイレは使えませんからご注意を!
ましてや、桟橋から立ちションは許されません。

文字通りラストチャンスだ!

さぁ、身軽になったら
いざゆかん!男の艦に!!


桟橋に到着すると、そこに横付けされている巨大な船体に圧倒されます。複雑に積み上げられた上部構造物。ニョキッと出ている127mm両用砲、高々とそびえ 立つ艦橋と、興味が尽きません。目の前にトマホークのレプリカが展示されています。何故か二分割迷彩されていますが、本当はどうなんでしょうか?その横に は何時の時代のモノかは分かりませんが、係維機雷が。当然ミズーリが敵対した相手のモノでしょう。艦橋横の戦功を表すペイントに機雷のマークが見えますので、 ミズーリ本艦は兎も角、彼を含む戦隊が処分したこともあるのはこの手のタイプなんでしょう。127mm砲弾も何か無造作に積まれていますが、綺麗にペイント し直している所を見ると、コレも展示なんでしょう。

正しくそびえ立つという言葉がピッタシで、
兵器と船が混ざり合い、
一つの戦闘マシーンになっているのが
よく分かります。

トマホークです。
湾岸戦争時は曲がるV−1とか言われて
あんまし命中率も良くなかったのですが、
昨今はピンポイント攻撃までしてきます。
一人のテロリストを殺すためにまで、
アメリカはコレを発射します。

いかにも機雷という形で、
何となく人間味があります。
最も単純な触発式の機雷でしょう。

展示物の様なフリをしていますが、
ただの整備の順番待ちです。
射撃指揮レーダーでしょうか?

装薬を入れるケースです。
大きさ的に3個入りそうです。
このクラスの主砲は1発撃つに当たって
6個の装薬がいりますので、
このケース2つ分で1発分と言うことになります。

綺麗にペイントされていますが、
何故か一部ツヤ有り塗装になっています。
ペンキが足りなくなったと言うことでしょうか?


ここで一つ注意しておくのは現在もミズーリは記念館としての工事中だと言うことです。よって、例えば電子兵装などは未搭載で、展示を兼ねてかどうかは知り ませんが、そこら辺に無造作にゴロゴロ置いてあります。完全な姿になるのは、甘く見ても後2.3年は掛かるのではないでしょうか?それでも去年来た頃に比 べると、随分変化しています。


左に折れ、艦首側に歩くと土産物屋や、記念写真の販売所を過ぎて入り口の階段に差し掛かります。ここから乗艦するわけですが、ここはひとまず無視してズン ズンと艦首側に歩いて行きましょう。戦艦の一番迫力がある艦首斜めから見た写真を撮るためです。ここで記念撮影も良いでしょう。ただし船体が大きいので、 船を入れると人物が相当に小さくなってしまいます。今回一年前に訪れた時と決定的に違う所があります。それは主砲に仰角が掛かった所です。艦首側から撮る と、艦首に大きなシアがあるために砲身が水平だと、艦橋しか見えません。しかし仰角が掛かったおかげで主砲も写ることが出来、迫力が出ます。写真を比べて みてください。せっかくだから艦首のディテールを見てみましょう。戦艦とは言わずに軍艦にとって艦首のデザインはすごく大事です、どんな嵐の中でもガッ ポガッポと波を掻き分けて進まなくては行けません。戦艦は大きいので、乾舷が高く、他の艦よりかは楽とは言え、上手く波を凌波出来ないと機関に負担が掛か り、故障もしかねませんし、速力も落ち、燃費にも影響が出ます。アイオワ級の一つ前のクラスであるサウス・ダコタ級は良くできた戦艦なのですが、同じ406mm砲搭載なのに 重量を35000tに押さえたために集中防御方式を採用するハメになり、全長が制限され艦首が短く、又艦首の構造もタルイ形になってしまってます。それに比べると アイオワ級は全長の制限が無くなり、又何と言っても前級より6ntも早い33ntの高速を出すためにも、艦首の延長と大きなシアが付けられたのです。おかげで、 スマートかつバランスの取れた艦容になりました。話は逸れますが前級のサウス.ダコタ級も同型間4隻の内、2隻が記念艦としてアメリカ本土に保存されてい ます。こちらはほぼ太平洋戦争時の艦容なので、又機会があったら取材してみたいですね。 それにしても艦首近くの非装甲部分には少し痩せ馬が目立ちます。 痩せ馬とは造船用語で、溶接の歪みによって起きる外板のシワのことです。今のペラペラのブリキ艦である現用艦ではコレが目立ちますが、やはり、軍艦という モノにコレが発生すると、ちょっと見た目を損ねてしまいます。

散々艦首側からの写真を撮り終えたら、いよいよ乗艦するとしましょう。


何やら色んなモノに
記念の刻印をしているみたいです。

記念撮影した写真を受け取ります。

やはり巨体です。人間が小さく見えますね。

この角度が個人の好みにもよりますが
一番戦艦らしいのではないでしょうか?

艦橋はやはり戦艦の顔ですね。

艦首部のアップ。
特徴的なホースパイプがよく分かります。
真ん中に開いている穴は
ムアリングパイプと言って、
ブイに係留する時に使います。

さぁ、行きますよ。



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